松本市をどうしたら希望のある街にできるか。松本市長選挙に立候補する大月よしのりさんにその政策やビジョンを聞いてみます。

Q1◇はじめに立候補の理由をお願いします。

私が松本市長選への立候補を決意しましたのは、自分を育ててくれたふるさと松本への感謝の気持ちからです。

松本市は自然環境や、文化と歴史にも恵まれています。また病院、教育機関などの都市機能も充実しています。それから豊かな田園地帯、山岳高原観光地も広がっています。

城下町でこんなに魅力的な街は他にありません。暮らしやすさ日本一と評価される松本市を大きな時代の転換点に立ってさらに発展をさせたいという強い思いから立候補を決意しました。

Q2◇続いて自己紹介をお願いします。

 私は昭和35年、高度経済成長期に向かう時代に松本市波田で生まれ育ちました。

スイカ農家の長男として地域の皆さんの絆の中で愛情をいっぱい受けて育ててもらいました。家計が必ずしも豊かでない中で東京の大学へ出してもらったのですが、卒業式の時に母親から「仕送りが大変だった。よしのりを大学へ出している間は、私たちは水を飲んで暮らさないといけないね」と父親と話し合っていたと聞きました。

Q3◇両親への感謝や働く苦労分かることが原点ですね。では経歴や抱負を聞かせてください。

私は行政マンとして36年間様々な経験を積ませていただきました。

先日まで長野県の健康福祉部長として、県民の皆さんの福祉、医療、健康づくりを担当しました。イギリスへの1年間の留学を経験し、国際担当部長としてインバウンド観光など、海外との経済交流の扉を開きました。

産業政策や松本空港の活性化も担当し、阿部知事の秘書、秘書課長として人脈を築いてきました。様々な自然災害への対応も経験をしております。

今回の市長選は、単に松本市のこれからの4年間を決める選挙ではありません。松本市の将来のあり様を決める重要な選挙だと考えます。

Q4◇松本市の将来のあり様を決める重要な選挙だということを、もう少し具体的にお願いします。

人口減少と高齢化が進み、経済活動が縮小すれば雇用問題に発展し、介護と医療費の増加につながります。

支え手の減少に加え、社会的孤立などによる社会問題も生まれつつあります。台風や集中豪雨など、想定外の自然災害を私たちは経験しました。これら取組むべき課題が沢山あり、公共投資がいくつか重なることで財政状況も厳しくなります。

困難ばかり申し上げるのではありませんが、市政運営のかじ取りが大変難しい局面を迎えることは確かです。 

5◇では夢のある話をしましょう。イギリスへ留学して海外との経済交流の扉を開かれた、というところをもう少し具体的に紹介してください。

イギリスばかりでなくヨーロッパの先進国が停滞しているような印象を受けますが、国民は実際の生活をエンジョイしているのが事実です。

日本を訪れる欧米の人たちや、アジアからは富裕層がやってきますので、それらの人々に居心地のよい宿泊、質の良い食事、松本地方温泉などは魅力的です。

またインバウンド観光客の誘致や国内・国際会議、イベントの誘致にも取り組みたいと考えています。魅力的な体験プログラムなどを提供することによって、宿泊数も増え、市内を周遊する観光客の滞在時間が増加します。

Q6◇海外を視点に入れるとして、留学や海外との経済交流は松本市の発展につながるでしょうか。

子どもたちに将来への夢を持てる社会を創るためにもぜひ必要だと思います。

松本市には信州大学、松本大学があり、産業振興や地域発展にとって貴重なシンクタンクです。海外からももっと留学生を迎え、市内の高校や大学からも留学生を送り出し、今よりもさらに「学都」としての充実を目指します。

学校教育レベルを高めることは、次の人材育成をすることにつながります。海外との経済交流の加速化と企業誘致を進め、創業支援を通して強い産業づくりを支援します。 

Q7◇松本市全体をキャンパスとするという構想と考えてよいでしょうか。

「学都」だけではなく松本市は「楽都」や「岳都」でもあります。こうした好条件を生かしながら「キャンパス松本」という取組みを進めたいと考えています。

若者からシニアまでの学び・交流の場が必要です。松本市は全部の町会に公民館を持っているという利点があります。公民館活動をこれからの高齢社会に向けての地域課題を解決して行く場にできます。

医療・健康分野での産業連携を進めて、若者の定着、地域の活性化、松本市の発展を図ります。こうした時代の転換点で、安心して暮らせ、子育てができる社会、子どもたちが夢や希望の持てる社会をどう創っていくか、その方向性を示し、それを実現するリーダーシップが市長には求められています。

松本市の道路を見て気付くことは、どの通りからも山がきれいに見えることです。王ケ鼻から美ヶ原の良く見える通り、常念岳や槍ヶ岳まできれいに見える場所、これらは小笠原氏から石川氏などが江戸時代から手掛けた街造りの恩恵だといえます。

明治初期の開智学校、大正期の旧制松本高等学校などは貴重な歴史遺産です。旧制松本高校の跡地は現在も「市民あがたの森」と活用されています。

同時に重要なことは、工業や農業など産業振興についても、歴史と自然環境とのバランスの取れた前進をさせることです。そのために工業団地への工場誘致にも力を入れたいと考えています。

Q8◇次第に松本市のビジョンが見えてきたようです。では具体的な政策と取組みをお聞きしたいと思います。

 松本市のビジョンを考えると責任の重さを実感します。行政マンとしての実務経験と知識、そして人とのつながり(人脈)を活用し、即戦力として松本を市民の皆様とともに発展させたいと考えています。

<実現のための8つのお約束>

1 健康寿命の延伸と安心の医療・介護・福祉

2 地域経済の活性化

3 子育て支援・教育の充実、両立支援、働き方改革

4 地域社会の充実

5 キャンパスシテイ松本

6 松本平広域連携と行政改革の推進

7 農業・農村の振興

8 芸術文化・スポーツの振興

第1のお約束 健康寿命の延伸と安心の医療・介護・福祉

 人生100年時代において、市民の健康と幸せづくりはこれからの重点になります。

社会保障費の面から持続できる医療介護を提供することと、現在の健康寿命延伸政策は重要な取組みです。

菅谷市長が創り上げた財産を大切にして、市民一人ひとりの健康づくりを子どもから

高齢者まで継続的に支援します。そのために、高齢者の居場所の確保、集いの場の整備、フレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)や、オーラルフレイル(口腔機能の軽微な低下や食の偏りなど)への取組みを強化します。

健康は一時的に作れるものではありません。子ども世代からの食育や運動習慣を推進し、年をとっても安心して暮らし続けられる体制の整備は緊急の課題です。

今後は高齢社会が急速に進みますが、一方で家庭の介護力が低下するというのが現状です。必要な施設整備を進めるとともに、介護と医療の連携により地域で暮らし続けられる体制を整備します。

また高齢者の運転免許返納に伴い、高齢者の病院通い、買い物などでの交通手段を確保することも考えて行きます。

◆健康づくりに関して

・まずは予防の重視、そして介護予防の一体的な実施

・健康寿命延伸の取り組みを着実に進める

◆高齢者福祉に関して

・年をとっても安心して地域で暮らし続けられる体制整備

・高齢者の社会参加の推進

・福祉ひろば・公民館での介護予防ネットワーク

・生涯教育の充実、高齢者が学び交流する場所(プラチナ大学など)

第2のお約束 地域経済の活性化

松本市は進取の気性に富んだ市民性を反映し、IT、電子、機械、医療、食品関連などの製造業が集積しています。また商業、観光、さらには農業などの産業も発展の可能性を秘めています。

個々の企業の発展は、企業が自らの責任と判断において、リスクをとり、道を切り拓き発展させてきたものです。産業集積はその結果であり、雇用の場を確保し、経済を活性化させてきました。

具体的には、交通、都市基盤など社会インフラの整備、学校教育レベルを高めることで海外との経済交流を加速化させます。また企業誘致を進め、創業支援を通して強い産業づくりを支援します。

そうした取り組みでの障害は交通渋滞です。さらに交通、建物などのインフラを適切に管理・補修し、寿命の延長化を図ることです。こうして長期的な維持管理のコストを減らすことができます。

◆観光に関して

・インバウンド観光客の誘致(欧米、アジアの富裕層から)

・国内・国際会議、イベントの誘致

・農業との連携による食の松本づくり(食彩松本プロジェクト)

・中山間地の景観、新鮮な農産物活用の一流レストラン誘致

◆取組みの方向性として

・松本ブランドの構築による地域の価値向上

・松本平全体、諏訪圏域等との連携

・既存企業の経営力強化、企業誘致、起業促進

・景観整備、緑化推進による長野県全体の景観づくり

◆具体的な取組みとして

・トップセールスによる企業、インバウンド、会議などの積極誘致

・国内、海外からの優秀な人材の確保

・公的M&A(合併と買収)による事業継承の支援

・若者の定着、Iターン、Uターン支援

◆製造業に関して

・公的、民間試験研究機関の誘致

・重点産業分野の企業誘致による産業集積促進

・IT産業など若者の起業への重点支援

・信州大学との連携による技術、製品開発支援

・公的機関、諏訪ものづくり推進機構など民間と連携した販路開拓、企業連携の促進

・海外での事業展開の支援

◆商業に関して

・特産品の生産支援と散策を楽しむ街づくり

・買い物客が回遊できる街づくりの促進、観光客の滞在時間延長(滞在型施設)

・インバウンド観光客の誘致

第3のお約束 子育て支援・教育の充実、両立支援、働き方改革

子どもたちが将来に夢を持てる社会を創りたい。そのために『人とひと・家庭・地域・社会のつながりを再生することによって支え合い、誰もが安心して暮らせる松本市を創りたい!』と考えています。

安心して暮らすために、もう一度社会のあり様を見つめ直し、「絆」や「地域のつながり」を取り戻し、困ったら「困った」「助けて」と言える、ともに支え合う地域社会を取り戻す必要があります。

かつて宮崎駿監督が引退会見で、「自分は、子ども達にこの世は生きるに値するんだということを伝えることを仕事の根幹に置いてきた」と言われました。人に温かな眼差しを向けながらアニメ映画を制作することによって、監督は生きることの大切さを伝え続けてきたのだと思います。

 時代の大きな転換点に立ち、豊かな社会を築いてくれた先人に感謝しつつ、次の世代を担う子ども達に、希望と夢を持てる社会を示していくことが我々責任世代の役目と考えます。

 子どもは地域社会の宝物です。元気な子どもの声がこだまする地域は、人々を明るい、

幸せな気持ちにしてくれます。

 子ども・教育関係の予算は、未来への投資として強化していきます。具体的には、人口減少社会の中で、市民の子どもを持ちたいという夢を実現するため、出産から1年間の子育て支援を集中的に支援します。それとともに子ども医療費の無料化を推進します。

子どもの自己肯定感が低いことが指摘されている現状に対して、子どもどうしの体験や交流を通し「自己の価値を学び合うこと」を支援します。また子ども食堂+学習支援を強化します。

◆障がい者の就労支援と障がい者福祉の充実

2027年全国障害者スポーツ大会へ向けて、障がい者がスポーツ参加できる環境整備を進めます。

障がいのある子どもができる限り希望する学校で学ぶことができるインクルージョン(障がいのある方とない方が共に学ぶ)教育、学校以外の多様な教育の選択肢を提供できるようにします。

◆教員の過重労働が問題になっています。教師の負担軽減と生徒支援を充実するため、その一つとして部活動指導を外部コーチへ委託することを検討します。

子どもに関係する様々な社会的な課題は、独り立ちできる将来を確保するという見方から解決して行きます。学校と家庭が協力し合って、子どもだけでなく「子どもと家庭の包括支援」を行います。

・ワンコイン子育て(500円で顔見知り同士が子供の送迎などを行うサービス)ヘルプ

・待機児童の解消

・生まれた時から18歳までの子どものシームレスな支援体制構築

・高校生までの医療費無料化

・自己肯定感の向上 通学合宿など

・保育園、学校などの園庭の芝生化

・食育の推進 

第4のお約束 地域社会の充実

子供たちが将来に夢と希望を持てる社会をつくりましょう。

菅谷市長の下で取り組まれてきた健康寿命延伸の取組は、大きな成果をあげました。健康であることが市民の幸せづくりにつながり、予防対策などの取り組みが高く評価されていると考えます。

新しい令和の時代に松本市をさらに発展させるためには、医療、介護、教育など質の高い行政サービスを維持し市政運営のエンジンとなる産業振興に取り組むが重要です。

産業振興において行政ができることは極めて限られているかと思います。限られてはおりますが、行政にできることは産業を支える基盤の整備だと考えています。

交通渋滞は、すぐに手を打たないといけない課題です。現在の交通状況は経済活動、市民生活に大きな影響を与えております。国道19号線の4車線化や環状線の整備が必要です。

第5のお約束 キャンパスシテイ松本

 松本市は明治の初期に開智学校が創設され、大正期には旧制松本高校が開学するなど早くから教育を重要視してきました。

開智学校が国宝に指定され訪問する人も増え、外国人観光客も増えています。松本城や開智学校で案内をしてくださるボランティアの皆さんの役割も大きいと言わなくてはなりません。 

高校を卒業した若者が県外に進学するという傾向は続くと思われますが、専門知識や技術を身に着けて、再び故郷へ戻ってくる、そういう松本市を目指したいと思います。

また現在ある信州大学と松本大学は松本の知の拠点であり、これからの産業振興と地域発展を担う貴重なシンクタンクとなります。

市民が両大学と連携することによって、松本市全体をキャンパスとする「キャンパス松本」という発想によるプロジェクトを立ち上げることも考えています。

小中学生からの学びを大切にして、若者もシニア世代も交流しながら学ぶことができる環境を築きます。これからは高齢社会が確実に進みますが、それに伴う地域課題の解決に向かうことはソウシャルビジネスを創出することにもつながります。

医療と健康分野での産業連携を進めることが、若者をこの地に定着させ、地域の活性化を実現することになります。

第6のお約束 松本平広域連携と行政改革の推進

 経済のグローバル化の中で製造業、商業、観光、農業等の発展、行政運営などは一つの自治体の中で完結できない時代になっています。

松本市が松本平の中心として、塩尻市、安曇野市などの自治体と広域連携をすることによって、松本平全体に必要な行政改革を推進します。

インバウンド観光誘致においても、個々の自治体が海外で誘致をするよりも、松本平の自治体が共同して誘致を行うことで、魅力・選択肢が広がります。

松本平全体を周遊することにより観光客が満足度を高め、滞在日数を延ばすことが期待できます。

 行政運営についても、個々の自治体の自立性は確保しつつ、事務の共同化による効率化や介護保険の一体化を進めます。そうすることによって行政サービスのコスト削減と、市民負担の軽減を図ることができます。

 松本市は中核市としての役割を発揮しなくてはなりません。松本平の中枢連携都市という位置づけを得ることができれば、国の手厚い財政支援制度を活用して、よりいっそう広域連携を進めることができます。

人口減少社会、市民主役の市政運営をするために仕事のやり方を見直す必要があります。広域連携の推進に加え、地域のことは地域で解決する、そして原則手続きは支所でできる体制を築きます。

市民からの苦情・提言が行政改善へつなげるように担当窓口に専門家を配置します。また外郭団体の幹部へのプロパー職員の登用を推進し、外郭団体をより活性化させ市民サービスの向上を目指します。

◆松本平の市町村との広域連携に関して

・これにより経営効率の向上、市民の負担軽減

・事務の共同化によるコスト削減

・市庁舎の建設に民間資金の活用(PFI活用)を検討

・庁舎管理も民間委託を検討

・介護保険の事務共同化によりコスト削減

 これは介護保険料の値上げ抑制につながります

・想定外の災害への備えの充実

・その他の危機管理には防災専門家を配置

・災害対応の見直しと全市内地域での災害時支え合いマップを早急に作成

第7のお約束 農業・農村の振興

 豊かな自然を守り・活かした、未来に輝く農業を発展させます。

農業分野についてみると、農業振興の中心となるJA松本ハイランドは150億円の農産物の売上を誇る国内屈指の優良なJAです。JA松本ハイランドと連携して、農産物の販売価格の向上、後継者の確保に努めます。農地プランの具体化や農業を支える先進農家、農業法人の成長を支援します。 

海外からの観光誘致、農産物の積極的なPRを行い、松本のブランド価値をあげます。

四賀地区や奈川地区のクラインガルテンには根強い人気があります。このような農業と観光を結びつける具体策を推進します。 

・農業従事者の育成と確保を支援

・耕作されていない土地の活用

・JA松本ハイランドと連携した松本ブランド農産物の販売価格の向上

・農産物の輸出支援

・公設卸売市場を観光の拠点にする

第8のお約束 芸術文化・スポーツの振興

山岳がもたらす恩恵を背景に、学びを尊び、音楽・芸術文化、スポーツを育むまちをつくります。

文化・芸術は市民一人ひとりの感性を育むことにとどまらず、魅力的な地域を作っていく上で欠かすことのできない存在です。

スポーツは、人と人をつなぎ、頑張る勇気を与え、社会を一つにする力があります。

今後も松本市は、文化薫る品格あるまち、健康で明るいスポーツ都市松本をめざします。

 セイジオザワ松本フェスティバルの人気が定着しています。「楽都」松本のシンボルとして、引き続き応援していきます。

松本山雅FCは昨年までJ1リーグで、日本中から注目されたサッカーチームです。私もアイスホッケーをやるなど、スポーツはとても大好きで、松本山雅FCを応援しています。

 聞けば、かりがねの練習場は2面のうち1面が人工芝のグランドとなっており、選手たちの練習の支障となっているようです。 早くJ1リーグへ昇格できるよう練習環境の整備を推進したいと考えます。